※チェンソーマン公安編=11巻までのネタバレ含む。
なんとなくテラウチがこういうことかな~みたいに思ったこと書いているだけだから、あてにはしないように。
1.なぜデンジが普通を望むのか
デンジは幼少期に父親を殺していていて、これを扉の向こうに隠している。デンジが忘れていることからおそらくは無意識に記憶自体は追いやられている。けど「自分は道徳から外れている」というところから生じる思いがデンジを普通になりたいという衝動を強くしている。
2.なぜデンジがマキマに惚れたのか
心理学的には幼少期に母親を手に入れるため父親に対抗心を抱く(=エディプスコンプレックス)みたいなのがある。普通は父親に負けて親離れに進むけど、デンジは父親を殺して勝利している。でも得るべき母親はいないので、最初に母親的ふるまいをした人物(=作中ではご飯くれたマキマ)を手に入れたいという思いに駆られることになる。おっぱいにこだわるのも多分母性の象徴として。
読者として最後マキマ食べるという変な終わり方でもすっきりしていると感じられるのは、マキマを手(胃)に入れたという結果には変わりないからだと思われる。
3.地獄はどこにあるのか
人間の集合的無意識っぽい。
1.で言っているように人間の無意識が扉として描かれている。地獄の空には無数の扉があってこのことから人間の集合的無意識が地獄なんだと思う。
マキマが「こどもの脳ってすごいよね。嫌なものを扉の奥に隠せちゃうんだから」って言っていて人間の中に扉があることは普遍的だと分かる。
さらにいうと、最初に悪魔、トマトの悪魔はトマト?? 怖い?? なんで?? っていう感じしたけど、こどもは嫌なものを扉の向こうに隠せるということを踏まえると、子どもが嫌いな食べ物の代表格のトマトが悪魔になっているのも腑に落ちやすい。
ナスの悪魔、ピーマンの悪魔もいそうだな。
※デンジが10巻で開いた扉も地獄側からの扉も引きなのは説明できない。まあ、デンジの方は当時の記憶と混ざった描写だし、現実側に地獄への扉が開いたときも引きなので、押し引き関係なく象徴としての扉なんじゃないかなあ。
4.なぜチェンソーマンに食べられた悪魔は名前が消えるのか
んーわからん!
分からんけど、これ本当は悪魔の一般的な能力な気がする。ポチタがパワーに「強い悪魔の肉を食べれば悪魔は力を増やせる」って言っていて、恐怖されるほど悪魔が強くなることから、食う=恐怖を自分に集めるって意味合いだと思う。で、相手をすべて食べると食べられた方は恐怖されなくなって、消滅する。パワーがこの方法で復活していたことから、悪魔の一般的な能力な気がする。これに気付いたのがポチタってだけ。ってことなんじゃないかなあ。
パワーがバカじゃなかったら普通の悪魔はこのことを知らないって言えたんだけど、パワーがバカだからこのことを知らないだけかも。だから、確証はない。
5.なぜマキマは死んだのか
デンジの愛を受け入れたから。
ポチタが支配の悪魔は対等な関係を他者と築きたかったみたいなことを言っていて、多分これがすべて。
他のメンバーもマキマに好意を抱いているシーンがあって、じゃあ、他のメンバーでもよかったのかというと、多分ダメ。理由は、他のメンバーのマキマに対する感情はおそらく愛じゃなくて恋なので。恋は支配的な、下から上への感情(憧れとか)として存在し得て、マキマはそれを創出してるっぽい。多分デンジにも同じようにしたんだろうけど、デンジの感情には2.でいったような母親の不在からなる家族愛=対等な関係が混ざっていて、デンジのその感情を食われて知ったマキマは心地よかったので復活せずに死んだと思う。
以上です。