テラウチのトイレ

テラウチのトイレ

映画「Joker」は否定されなければいけない

 公開当時に書いた感想公開するのすっかり忘れてた。


〜〜


 Joker、見たよ。
 この映画は世界で最もよくできたゴミ。
 だけどこのめちゃくちゃに不快であるという感想が、映画「Joker」を何よりも楽しめたということの証。製作者は、あるいはジョーカーは、わざと我々が不快になるように作っている。


 

 以下、ネタバレ含む。

 ジョーカーとアーサーは意図して読み分けてほしい。

 あの物語は最初から最後までアーカム州立病院の面談中のジョーカーの頭の中で繰り広げられている。

 アーサーがジョーカーの過去なのか、完全に作り上げられた虚構なのか、第三者の話なのか、現実に尾ひれを付けた話なのか、それは分からない。

 虚構といえる材料はアーサー(ジョーカー)とブルース(バットマン)の年齢差があまりにも離れていること。おおよそ三十歳差。(アーサーが母の診療履歴を漁るとき、「三十年前の云々」という下りから)大体のコミック、映画でバットマンとジョーカーは近い年齢で描かれることが多い。フィリップス監督は「一度もきちんと考えたことがありません」と答えたけど、考えていないはずがない。

 けれど、これを否定する材料として「『ジョーカー』は一本の作品として作った」「他のバージョンにも関係していない」とトッド監督が言っていることだ。だから、設定的な矛盾は意味がない。


 つまりは、これが事実か虚構かは分からない、ということ。

 
 そして、この「Joker」という映画がジョーカーの過去なのか議論する必要も余地もない。


 なぜなら、ジョーカーがいくら悲惨な過去を送っていようとも、ジョーカーの罪は拭われないから。
  あえて露悪的に言うと感想や批評でアーサーの社会的に置かれた状況をしたり顔で語っている奴は全員バカ。何も理解していない。

 この映画を見た人全ては第四の壁を越えてジョーカーにおちょくられているに過ぎない。

 だというのにみんなして「あれは無敵の人」「負の成功譚」……etc.ジョーカーの騙るホラ話でよくもまあ騒げるね。

 てか、騒いではいけない。同情してはいけない。

 だって、ダークナイトの時のジョーカーが口が裂けた原因を語るとき、真面目に聞いてた? そして、それを信じた? その時に「ああ、それはお気の毒に」なんてジョーカーに言うキャラがいたら、こいつバカだなって思うでしょ。てか、本当かどうかさえどうでもいいんだ。

 ジョーカーは悪を為していて、誅されなければいけない。事実としてあるのはそれだけだ。

 

 テラウチは映画を真面目に見ていた。二時間くらいきっちりしっかり、ド真剣に見ていた。けれど、それは本当に馬鹿げていた。だから余計に怒っている。

 車の上で踊るアーサーを見て、感情が湧いてきたところで、アーカム病院のシーンに移り、徐々におちょくられてたんだなってことが分かる。

 くそムカつく!

 

 R-15指定の理由がよく分かる。

 人の感情を恣意的に揺さぶって愉悦するというのは、絶対に子どもに教えてはいけない。

 

 多分、ここまで読めば分かると思うけど映画「Joker」めちゃくちゃ評価してます。

 ジョーカーを表現するのにこれ以上はないとさえ思える。

 その上であえて言いたい。

「全く見る必要がなかった」

 

 以上です。